ミイラ展に行ってきた

こんにちは、笹平です。

福岡市博物館で開催されているミイラ展に行ってみたので、そのレポートを書こうと思います。

そもそもなぜ行ったのか。ただ単に、誘われたからです。私の興味はその程度でした。
怖いもの見たさのような感情はありましたが、多分一人では行かなかったでしょう。

しかし、実際に行ってみると、鑑賞できてよかったと感じたので、興味のある方は読んでみてください。

ミイラとは何か

ミイラについて全然詳しくないので、簡単に調べてみたいと思います。

ミイラとは「防腐処理が施されて乾燥した死体」のことです。死体は腐敗していくので、ミイラ化には細菌の活動を抑えることが必要になります。そこで必要なのが急激な乾燥です。自然発生的なミイラは砂漠から見つかることが多いそうですが、「乾燥」という条件に適しているからなんですね。

また、死体の中で最も腐敗が進むのが内臓です。そのため、人工ミイラでは脳や内臓などの腐敗しやすい部分を摘出し、火気によって乾燥、または薬品を使って防腐処理をするそうです。

身分階級によって工数や値段に違いがあったというのは、おもしろいと思いました。


ミイラという日本語は16〜17世紀にポルトガル人から採り入れた言葉の一つだそうです。ポルトガル語のmirra は「没薬」(赤褐色の植物性ゴム樹脂)を意味します。ちなみに英語の名称はmummyで、こちらはアラビア語が由来のようです。

現在の研究によると、世界で最も古い人工ミイラは約7000年前に現在のチリ沿岸部で作られたものとされています。そんなに前から作られていたんですね。7000年という月日の長さは私には想像できません。

ミイラを鑑賞

今回の展示で、最も多く展示されていたのが「チャチャポヤのミイラ」でした。1997年に、ペルー北部・チャチャポヤス地方のコンドル湖周辺で200体以上見つかったもの一部です。

これらは、全身が布やロープで包まれているのが特徴です。インカ帝国の支配が及ぶ以前からの文化を継いだものとされ、包みの頭部に顔の刺繍が施されたものもありました。性別、年代問わずに作られたこのミイラは、包んでいる布が意外にもしっかりしているように見えました。そのため数千年前に作られたというのが驚きです。

これだけたくさんのミイラがあるということは人々の生活に根ざしていたのですね。古代アンデスは文字を持たなかったらしいので、得られる情報が少ないそうですが、ミイラが社会とどのように関わっていたのか気になるところです。



もっとも有名なミイラはやはり古代エジプトのものではないでしょうか。約5000年前からミイラ作りが始まったとのこと。それから4000年近くミイラ作りが続いたそうです。

古代エジプトでミイラになったのは人間だけではなく、ネコ、ハヤブサ、トキのミイラを見ることができます。

古代エジプトの人々はミイラを「死者と来世を繋ぐ必要不可欠な存在」としていたそうで、遺体の保存が来世の保証だったそうです。文化独自の死生観が表れていて面白いですね。



日本にも即身仏という形でミイラは存在します。今回の展示でも鑑賞できました。即身仏とは土の中の石室に生きたまま入り、経を唱えながら絶命した遺体を数年後に掘り出して乾燥させた仏様のことです。

飢餓や病に苦しむ人々を救済するために、究極の修行をおこなった方がいたとのこと。塩と水だけを摂りながら47日間断食した例もあるそうです。後に内臓が腐敗したり、虫がわくのを避けるために、人体には毒になる漆の樹液を飲んで「土中入定」します。

私はこの話を聞いてぞっとしました。あまりに壮絶すぎて、私には受け入れられません…

ミイラになるには

もし、自分もミイラになりたいと思ったらなれるのでしょうか。こちらにわかりやすく書いてあったので、ミイラになりたいと思った方は参考にしてください。

https://gaku-sha.com/human/mummy

まとめ

私は今回の展示会で初めて本物のミイラを鑑賞しました。死体を見るというのは少し怖いものですが、古代文化の生死に関する考えを学ぶことができたのは興味深い体験でした。

現代は遺体処理の方法として火葬や土葬などが一般的ですが、灰を花火に詰めて打ち上げたり、鉛筆、ダイアモンドを作ったりすることもできるそうです。様々な死生観を知る機会になると思うので、まだ行っていない方はぜひ足を運んではいかがでしょうか。

今回はこれでおしまいです。ありがとうございました。

『特別展 ミイラ「永遠の命」を求めて』
https://rkb.jp/event/mummy/


参考:
https://spice.eplus.jp/articles/261013
https://ja.wikipedia.org/wiki/ミイラ