有田焼とか波佐見焼とかは燃やしますか?
結構な温度で焼かれます。
※販路がほぼ同じだったり、買って戸棚になおしたら以降扱いが同じだったり、見分けられるほど坂井の目が肥えていなかったりするので、この post では有田焼と波佐見焼をあまり区別しません。ごめんなさい。有田は佐賀です。波佐見は長崎です。でも波佐見焼はしれっと「佐賀物産展」とかにもいます。その強かさ、かなり好きです。
こんにちは、坂井です。有田の話をします。
勝手に工学徒あるあるだと思っているのですが、「実用的で見目のいいもの」が好きです。実用的なだけでも、あるいは見目がいいだけでも十分に価値あることです。しかし日々の友としての器物はやはりそれらを両立していてほしい。まあ、両立できていないからこそポンコツで愛おしい、みたいなことも往々にしてあるのがアレですが。メチャクチャ強くて信頼性も高いのに見た目がゲテモノな巨大ロボットとか、ドチャクソ美人なのに造りが繊細すぎてすぐぶっ壊れる巨大ロボットとか、好きですよね。見た目がゲテモノなら造りもガバガバで一歩踏み出した瞬間自壊しちゃうようなのも、好きですね……。
その点有田は最高です。近代和風建築が店舗として活かされた町並みで商われる、高温焼成された美しくも丈夫なうつわ。もちろん美術品用途極振りなアイテムも数多くあります。ひょっとすると「有田焼」と聞いて想像される品って、一般にはそういうやつかもしれません。
しかし陶磁器に関して、坂井の興味対象は「雑に食卓 etc. に並べられるかわいいやつ」です。つまりこういうのです。
伝統柄もあるけれど、それも含めてえらいモダンです。おまけに無茶苦茶高価なものはありません(社内の某方には「皿一枚 1000 円の時点で考えられない」と言われてしまいましたが)。坂井が買い集めているものなのでもちろん個人の好み・財力による偏りは大きいものの、
有田・波佐見焼って
こういう感じのも
あるんですよ!!!
と、声を大にして、坂井の推し窯・推し卸さんのプレゼンをします。
昨今の有田・波佐見焼通販事情
その前に「最近はオンライン通販めっちゃあるよ」という話をします。昨年から諸般の事情で有田陶器市が Web 開催になっていることもあり、窯元さんが自ら通販サイトを開いたり、小規模な卸さんでも通販を始めたりということがメチャクチャ増えた気がします。今年の有田陶器市では「昨年から比べて参加店すごい増えたな……」とリストを眺めてしばし呆然としたものです。BASE などの通販サービスを利用しているお店が多いですね。ざっくばらんに俯瞰するにはこちらなどを見るといいと思います。
では参りましょう。
以降、大量のリンクが出現しますが、アフィリエイトの類は仕掛けておりません。
どうぞ安心してお踏みください。
推し窯部門
金善窯
上の画像でひときわ目立ってるド原色な連中はたぶんだいたい金善窯さんのです(黄緑は違う、あれ波佐見のはず)。え、有田焼ってなんか歴史ありそうな伝統的ほげなんじゃないの? あれが? と思われるかなー、と思ってトップに挙げます。
有田焼です。ついでに、アウトレットがえげつない、と個人的に思っています。
梵良窯
今年の有田陶器市で坂井が惨敗をかました窯元さんです。とにかく早く、下のリンクから梵良窯さんの instagram に飛んで【藁灰釉月星皿】を見るんだ。「こんなの卑怯だ、きらいなやつなんていない」と思うに違いないので。
ええ、争奪戦に負けました。再販かかってるので手に入ったら写真を貼りますね……イベント出展との在庫の兼ね合いがどうなっているやら……7/4追記: 再販チャレンジ成功しました!!!
喜鶴製陶
ラスター彩、というものがあります。
きれい。構造色なんでしょうね。有田でもいろいろラスター彩が作られていますが、坂井は喜鶴製陶さんのラインナップが好きです。細かい彫りを入れてきらっきらなのとかもあります。いいなー。
Folk Design
窯ではなく、ブランドのような形態らしいのですが。コーヒーカップに力を入れているところです。釉薬がもったり重めにとろりと垂れている、その地の色と上から掛ける色の取り合わせが「はい大勝利〜〜〜」とまあ、そんな感じのが多くて困ります。大きめのマグカップがあるのもよい、大きいは正義。
北川陶藝
ここに来て実用性ゼロです。本当に置物です。でもいいの、かわいいから、とねじ込む。
北川陶芸さんは「ミクロス」というちっちゃい動物の焼き物をたくさん作っている窯元さんです。気付いたら通販サイトができていましたが、ラインナップは有田のお店に遠く及びません。ここはぜひお店に行って、どの子を連れて帰ろうかウンウン悩んでください。あとケーキがおいしい。
いぬにこだわりがあるのか、お店にはいろんな犬種が揃ってます。レトリバーはいないのがちょっと不思議。
推し卸/セレクトショップ部門
SPECIAL THANKS
ウワァーッ! 陽パワーが溢れているゥーーーッ!!
もう HP 開いた瞬間、明るすぎて焼け死にそう。品揃えもそんな感じ。よく変なデッドストックを掘り出してきて変なタイトル付けて並べてらっしゃるのが可笑しい。ブログも面白い。おすすめ商品紹介はもちろん、有田の話とか、在庫発掘の話とか。
twitter も元気でいらっしゃいます。しょっちゅうエゴサを観測します。ウワァーッ!!!
カネアオ
一転して明るくも落ち着いた店舗の佇まいが印象的なカネアオさん。なんといっても店舗が好き。オンラインショップで買い物したことない気がするな。
シンプルですっきりしたデザインのうつわが多いお店です。
坂井に「有田焼なんて千と何百℃で焼いてるんだから多少熱をかけても大丈夫よ」と、考えてみればあったりまえなことを教えてくれたのが確かカネアオさんのお店番さんでした。直火はアウトだけどオーブンぐらいまでは OK とされているものが多いように思いますね。
貴好人
「これお洒落でしょう!」「これもお洒落でしょう!!」の圧がすごい。こちらも実店舗でしかどうこうしたことないような……。
なんかもう正しく「セレクトショップ」という風情。入り口しか写せていない写真からすらも見て取れる通り、「わたしたちの思うよいものをとにかく詰め込みました」みたいな、お洒落レイアウトのはずなのにパワフルなお店です。
AIHA
なんかもう何でも売ってそうな感じのところなので、坂井のオススメを貼ります。コレです。
常にはそんなに使わないんですよね、こういうの。でもなんやらかんやらいろいろいろいろ皿に並べないといけない、どうしよう、というときに後方から鋭く差してくる逸材です。例えば正月における最大戦力。おせちなんかは全部こいつに任せてました。あと単純にデカいのでお好み焼きとかがよく載ります。
番外編
香蘭社
え? この流れで香蘭社? と思われるかもしれませんが。
超老舗だけあって、有田の本店には広い展示スペースがあります。ふつうに美術館としておもしろいところです(深川製磁さんなどもそうですね)。そして古くより食器や美術品だけでなく工業製品も手掛けていた香蘭社、そう──
明治初期の香蘭社製碍子が展示されているのです。
テンション上がらないわけないじゃないですかー。あと本店、建物すごい(語彙力消失)。
本当は有田は有田焼だけじゃねえんだぞ近代和風建築と町並みのオタクも行くべきであるという記事にしたかったのですが、手持ちの写真が足りず、取材に行く暇もちょっとなかったので、それについてはまたいずれ。
小鹿田焼・小石原焼もほしいな〜〜〜(完)